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日本橋の家見学会

 住宅遺産トラスト関西イベント第2回見学会は、2月27日、安藤忠雄設計の「日本橋の家」でした。狭小住宅のため、先着順定員での見学でした。
 まず、当会理事、建築設計事務所主宰兼大阪市立大学都市研究プラザ特任講師の高岡伸一より日本橋の家のことからミナミ界隈ならではの建築よもやま話、所有者の金森さんからもお話を伺い、その後自由に見学をしていただきました。
 大阪ミナミは、古くは江戸時代から商売の中心地、道頓堀には芝居小屋も並んでいました。安藤忠雄のみならず建築家たちが大胆に腕をふるえる目立つ建築が求められるところです。そんな大阪ミナミの繁華街、小さな飲食店や商業ビルが混在する街に溶け込むように日本橋の家があります。間口3m弱、奥行き15mのきわめて細長い敷地、そんなタイトな条件を魅力に変える、安藤マジックが冴えている建物です。
 まっすぐ伸びる階段、暗い階段を登りきると思わぬ青空に迎えられ、狭さと広がりが出たり入ったり、図面ではわからないスケール感、空間体験、コンクリート打ちっ放しの皮膚感覚を直に感じながら、一層一層階ごとに、おもわず暮らしのひとこまを思い浮かべてしまう楽しい見学会でした。

日本橋の家_1

日本橋の家_2

日本橋の家_3

日本橋の家_4

栗原邸見学会

 住宅遺産トラスト関西イベント第1回見学会は、12月19日、京都山科琵琶湖疎水沿いの栗原邸で行いました。師走の底冷えのする寒い一日にも関わらず、41名の方々が集まってくださいました。
 栗原邸の建物のことは、京都工芸繊維大学大学院助教、当会理事の笠原一人から、また、お屋敷のイメージアップを図る方策を造園家杉景の住谷弘法氏から、伺いました。
 この建物は、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)第2代校長鶴巻鶴一の自邸として、同校建築科教授であった本野精吾設計による建物です。外観は昭和4年当時としては、非常に先駆的なモダニズム建築ですが、内部は、鶴巻鶴一自身の大作であるろうけつ染の襖絵始め、電灯や調度品などアール・デコ風のインテリアでセンス良くまとめられています。外観とは違った印象に、新鮮な感動を受けておられるようでした。
 その後昭和16年から、戦後一旦進駐軍接収住宅にもなるも、数年前まで栗原家のお住まいでした。80数年という年月を経て、再び、母校によってモダニズム建築の改修・再生方法を学ぶ、実習の場ともなっています。
 今やミステリー劇場の舞台になったり、サスペンスドラマのロケ地にも使われたり、うっそうとした木立がミステリアスな表情を作り出しています。立ち枯れした松や実生の桧などを伐採し、太い幹から歴史感じるヒマラヤ杉はそのままに、伸びる枝を半分にして透け感を出すことで、建物が魅力的に蘇ります、と住谷さんよりアドバイスをいただきました。枝先から揺れる風を目でも楽しめ、室内には木洩れ陽も入ってくるでしょう、春の再訪が待ち遠しいです。
 参加者からは、「建物だけでなく植栽の話を聞けてよかった。」とのお声、また「改修や植木管理などボランティアの可能性を広げてほしい。」「協力したい。」と、この日は室内もとても寒かったにも関わらず、「実験的に1週間ほど滞在できればいいなあ。」、「暖炉が使えるようになると泊まってみたい。」と『この家で暮らすこと』への空想が拡がるようでした。

栗原邸見学会_01

栗原邸見学会_02